有給休暇の日の給料っていくらもらえるの?

有給休暇講座4

有給休暇日の給料っていくらもらえるの?

こんにちは、妹子です。勝手にシリーズ化した有給休暇を知ろうシリーズも第4弾は、有給休暇を取得した日の給料の金額について紹介します。

その前に、まず、第1弾から第3弾は、こちらからご覧いただくことができます。

第1弾は妹子の会社をサンプルに、中小企業における有給休暇取得の実態を紹介しています。

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第2弾は、そもそも有給休暇とはどんなものなのか、もらえる条件や実態、そして改正労働基本法での変更点についてまとめてみました。

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第3弾は有給休暇の日数を計算します!!自分の有給休暇が何日あるのか、計算できるようになります。

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そして、いよいよ第4弾、はじまるよーーー!!!

目次

有給休暇のときの給料ってどういうこと?

今回は、有給休暇の日のお給料の計算について紹介します。と書くと、正社員などの月給制の人は、ピンとこないかもしれません。

月給制の人は、1ヶ月でいくら、という基本給をもとにして給料が計算されています。もちろん、その中には、1日あたりいくらで、1時間あたりいくら、という基準の金額はあります。

その金額を元にして、休日出勤分や残業代を計算します。が、あまり意識していない人も多いでしょう。

そのような働き方をしている人は、有給休暇の際の金額にしても、あまり意識しなくても支障がありません。なぜなら、実質的には、有給休暇を取った日は、『休んでもお給料が減らない日』という扱いになるからです。

一方、時給や日給で働いている人はどうでしょうか?有給休暇を取得した日は、もちろん、『有給』ですから、お給料はもらえます。時給で働いている人にとっては、有給休暇は『休んでもお給料がもらえる日』という言い換えがしっくりきます。では、それがいくらなのかは気になりませんか?

 

有給休暇の日のお給料はいくらもらえるか

有給休暇の給料算出方法の種類

有給休暇を取得した日の給料の金額は、実は労働基準法で定められています。その定められている金額の算出方法は3つあります。3つのうちのどれを選択するかは、会社の裁量に任されています。

その3つとは

①通常支払われる賃金

②平均賃金

③健康保険の標準報酬日額

その中で、時給で働く派遣スタッフや、パート従業員に多い、①通常支払われる賃金、②平均賃金について、ご紹介していきたいと思います。

絶対ではありませんが、一般に常勤と呼ばれるような、例えばフルタイムやそれに近い形で、固定で雇用している場合は、『通常支払われる賃金』を選択されている会社が多いように思います。

そして、勤務時間や勤務日の融通が利くような形での雇用の場合、短時間のパート勤務や、スポットや短期派遣なども行っている派遣会社などは、『平均賃金』を選択している会社が多いです。

ちなみに派遣という働き方をしている人の有給休暇は、派遣元、つまり派遣会社が派遣スタッフに対し、有給休暇を付与します。ですから、実際に働いている派遣先のルールではなく、雇用元である派遣元のルールが適用されます。

派遣社員の有給休暇については、また別の機会に詳しく紹介したいと思っています。

 

有給休暇の給料算出方法/通常支払われる賃金とは

 

【例題】時給1000円で働いているパグ男さんは、月曜日から金曜日までの週5日、9時から18時、休憩1時間で1日8時間で働いています。パグ男さんが働いている会社が有給休暇算出方法を『通常支払われる賃金』を選択している場合、パグ男さんの、7月3日(火)に取得した1日分の有給休暇の給料はいくらでしょうか。

では、情報を箇条書きにまとめます。

【パグ男さんの就労条件】

・勤務日:月曜日~金曜日(土日休み)
・時間:9:00~18:00(休憩1H)
・時給:1000円

ではパグ男さんの、7月3日(火)に取得した1日分の有給休暇の給料ですが、答えは8000円です。

理由は、この日、パグ男さんが出勤して就労条件どおりに働いた場合にもらえる給料が8000円だからです。

このように、会社が有給休暇算出方法を『通常支払われる賃金』で選択している場合は、仕事をしたらもらえるはずの賃金が、有給休暇の給料として支払われます。

中には、シフト制で、就労条件の働く時間が曜日によって違う、という働き方をしている人もいると思います。例えば、月曜日は8時間勤務、火曜日は5時間勤務、などです。その場合は、例えば月曜日に有給休暇を取得をしたら、8時間の給料、火曜日に有給休暇有給取得したら、5時間分の給料が支払われます。

注意点としては、1勤務あたりで交通費が出ている場合、有給休暇の給料にその交通費は含まれません。各種手当ては含まれます。

 

有給休暇の給料算出方法/平均賃金とは

 

会社によっては、『通常支払われる賃金』ではなく、『平均賃金』が選択されている場合もあります。『平均賃金』と聞くと、言葉の響きから、もらっている給料の平均の金額、上記例題のパグ男さんの場合で残業をしていなければ、そのまま8000円ではないの?と思ってしまう人もいるでしょう。

しかし、そうではありません。実は、『平均賃金』で計算すると、実際に、自分が思っていたよりも有給休暇を取得した日の給料が少ない、ということが発生します。それでは、『平均賃金』の計算方法を紹介します。

『平均賃金』の原則的な算出方法は、下記AとBの2種類あります。

A)直近3ヶ月の総支給額÷直近3ヶ月の暦の日数=平均賃金

B)直近3ヶ月の総支給額÷直近3ヶ月の労働日数×60%=平均賃金

A、若しくはBで計算して、高いほうを平均賃金とし、有給休暇の1日分の給料になります。勤務日数が少ない人は、Bで計算したほうが高くなります。

文字で見ると、難しく感じる方もいらっしゃるでしょうから、実際に例題をだして計算してみましょう。

【例題】時給1250円で働いている兄者さんは、7月3日(火)に有給休暇を取得することになりました。兄者さんは、4月1日~6月末日までの3ヶ月間の中で、合計60日間働き、合計で600,000円の給料をもらいました。兄者さんの、7月3日(火)に取得した1日分の有給休暇の給料はいくらでしょうか。

では、情報を箇条書きにまとめます。

【兄者さんの直近3ヶ月(4月・5月・6月)の就労状況】

・労働日数:60日間
・総支給額:600,000円

この就労状況に、先ほどの算出方法の式を当てはめてみます。

A)直近3ヶ月の総支給額÷直近3ヶ月の暦の日数=平均賃金

600,000円 ÷ 91日 = 6593円

※暦の日数とは、その月が何日あるか、ということです。該当月の末日が何日か確認すれば、容易にわかります。

4月→30日
5月→31日
6月→30日

これを全部足せばよいのです。そういうわけで、この期間の暦の日数は91日です。

 

B)直近3ヶ月の総支給額÷直近3ヶ月の労働日数×60%=平均賃金

600,000円 ÷ 60日 × 60% = 6000円

 

A)で計算すると 6593円

B)で計算すると 6000円

になりました。どちらか多いほうなので、兄者さんの、7月3日(火)に取得した1日分の有給休暇の給料は6593になります。

最後に

有給休暇のお給料は就業規則などで確認ができます。平均賃金より通常支払われる賃金で計算されたほうが高くなります。この記事では、割愛してしまいましたが、健康保険の標準報酬日額も、他の計算方法よりも低くなる傾向にあります。

勤めている会社がどの計算方法を採用しているのか、可能なら、あらかじめ確認しておきましょう。

 

 

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この記事を書いた人

岐阜で育ち、名古屋で学び、東京で人材系の会社に就職し、埼玉に嫁ぎ、柔軟な兄とは対照的に、鉄骨並みの頭の固さで現在を生きる30代。妹子。

妹キャラというより、幼少期より身についてしまった奴隷体質で、当ブログの記事執筆と日程管理を担当。日々、兄のケツを叩きながら、自分も兄の奴隷としての才能を発揮。

就職・転職・労働問題を中心に、働くこと、稼ぐこと、節約することを発信していきます!!

コメント

コメント一覧 (4件)

  • はじめまして、Jakeと申します。

    有給休暇取得に関する情報を探すうち、貴サイトにたどり着きました。
    特に、有給休暇についてのコラム4弾すべて、興味深く拝読いたしました。勉強になります。

    こちらに質問してよいものかどうかわかりませんが、下記について思案に暮れております。
    もしよければ、お目通しいただけないでしょうか。

    =====

    2018年3月より派遣労働者として勤務しています。(平日5日09時〜18時、休憩1時間)
    有給休暇の残日数は9日です。
    一ヶ月更新を繰り返し、本契約は11月30日(金)に終了し、次回更新はありません。
    期間満了までの通常勤務日数(9日間)に対し、残された有給休暇(9日間)を当て、求職活動に利用したいと考えています。

    =経緯=
    11月14日(水)終業時に派遣元の営業担当者が来所、その場で次回更新がない旨、また、私の新しい仕事の都合によっては期間満了まで出勤しなくてもかまわない、という派遣先責任者の話を併せて伝えられました。
    有給休暇申請は16日(金)に書式を添えてメールにて行っています。

    ちなみに、
    派遣元における有給休暇取得の条件としては、「一週間前以上の申請、風邪などの体調不良による当日の申請は不可」となっており、今回の申請については、「一週間前の期日が守られていないこと、事業所責任者の許可が必要なこと」との回答がありました。

    再度、休暇取得について事業所責任者に確認したところ、残勤務日数(9日間)については、「すでに新しい仕事が見つかっている場合に限り休みを認める」ということでした。

    新しい仕事が決まっているならと言われても、更新なしの告知から猶予もなく、その間も通常(残業あり)に勤務しておりますので、常識的に考えても非常に困難です。

    また、「一週間前までに」という有給休暇申請の条件も、同様に告知からの猶予がなく叶いません。
    理解を求め派遣元にはメールを送りましたが、未だ回答がない状態です。

    一ヶ月前頃から事業所内における私への態度、雰囲気が変わり、妙によそよそしく、仕事に関する指示も直接的ではなくなったことなどを鑑みると、どうも円満な雇用契約の終了ではなさそうに感じます。

    出勤最終日となっている16日(金)も、私から仕事の指示を受けに行ったところ、「そうだなぁ、何をしてもらおうかなぁ」と他社員と相談する有様。
    本当に残勤務日数を出勤する必要性があるのかどうかも疑問です。

    やはり、期日満了日まで勤務しなければならないのでしょうか。もし、叶うのであれば、派遣労働者としてどのように両者を説得すればよいのでしょうか。アドバイスいただければ幸いです。

    やわらか兄者様 鉄骨妹子様

    ジェイク

    • ジェイク様

      返信が大変遅くなりまして申し訳ございません。
      その後、いかがお過ごしでしょうか?
      火急の内容だったにもかかわらず、コメントを頂ていたことに昨夜気が付きまして、
      本当に、本当に申し訳ございません。

      さて、ご相談の内容ですが、時期からすると決着はついているとは思いますが、思うところもございましたので書かせていただきます。
      今回は、お役に立てずに本当に申し訳ございません。

      まず、このような話を考えていくときに基準になっているものは
      『労働基準法』
      それから
      『就業規則』
      です。しかし、これ以外に、別で派遣元や職場ごとに設けられている独自のルールや慣例があったりします。

      『労働基準法』は法律ですので、もちろん一番優先されなければらないのですが、(こんなことを言ってはいけませんが)小さな会社や派遣会社は独自のルールや慣例が労働基準法よりも優先されてしまう現状がまだまだあります。
      ジェイク様の場合は、派遣労働者として就業とのことですので、他にも『労働者派遣法』という法律も関係してきます。

      どの内容が、それらの法律に抵触してくるかを考えました。
      ・雇止めの通知が一か月以上前に行われていない点(1か月更新とはいえど、3回以上の更新が行われているため適用されるのでは?)
      ・有給休暇取得を取得理由によって拒否している点(「すでに新しい仕事が見つかっている場合に限り休みを認める」の返答)

      ただし、有給休暇の1週間前申請については、特に法律で定められている文言などはなく、職場ごとの裁量で決められています。
      極端な話をしてしまと、日払い当日払いの派遣会社は、当日申請された有給休暇のお給料を当日に支払えるか、というと、事務手続き上なかなか難しい事情もあります。
      ただ、ジェイク様の場合はそうではなく、退職に伴有給消化であることや、また派遣先での対応からも、休暇をとることで事業の運営に支障をきたさないと思われことから、使用者の『時季変更権』も行使できないと考えられます。

      少し脱線してしまいますが、派遣元の利益と派遣会社の利益について考えてみましょう。
      派遣元としては、派遣会社を人員(労働者の人数)の調整として使っている部分があります。
      派遣先としては、派遣労働者が働くほど売上・利益になります。
      派遣元は、人員の調整が必要になったら、派遣元に契約解除を申し入れます。
      派遣先は、派遣元から契約解除の申し入れがあったら、その旨、労働者に雇止めの通知を行う。

      ここで派遣元としては、事業の状況によってはなるべく早く人を減らしたい、派遣先としては、まず労働者の不利益になる部分は交渉して守らなければならない、というわけで、終了日を1か月以上先に設定してもらう交渉を行う必要があります。
      それをジェイク様の派遣元がしていたのかどかという、という疑問が残ります。ただし、派遣元が派遣先に対して、1か月以上前に契約終了の申し入れをしていて、それを派遣会社の怠慢で労働者に伝えていなかったということもあり得ます。

      終了の期間が決まった場合、派遣元はできるだけ最後まで勤務してもらった方が売上・利益になります。また、有給休暇の取得は、派遣先には請求できないことが多いため、派遣元の利益を削って賃金を支払うことになります。
      派遣元と派遣先の利益を考えると、ジェイク様が置かれていた状況が見えてますね。

      さて、ここでどうした良いかということですが、感情的な部分は排除して考えるといくつか選択肢が出てきます。
      雇用契約は派遣元と労働者が交わしているため、派遣元への交渉は、労働者が決裁者と人間関係を築けていれ別ですが、なかなか労働者からはなかなか難しいと思われます。
      そこで派遣会社と交渉するかたちになるのですが。。。

      1)終了の通知が11月14日だったことから、12月13日までの休業手当(6割)を求める
      2)有給休暇の取得を求める(労働基準法の、取得理由によって拒否している点や時季変更権の行使ができない点を具体的に伝えてみる)
      3)次も派遣で働くことが希望の場合は、次の就業先を同じ派遣会社から探してもらう(感情的には嫌かもしれませんが、有給の残日数が引き継がれたり、勤続年数が引き継がれるため、最短で2019年9月に二年目の有給休暇の付与があるなどのメリットもあります)

      特に、1,2については、遡って求めることができるものです。
      場合によっては、労働基準監督署へ電話で相談し、その内容をそのまま派遣会社に伝えることも一つの手段ではあります。

      大きな声では言えませんが、多くの派遣会社は、労働基準監督署は苦手なので、派遣会社が出してくる答えが変わらないにしても、メールの返信がないなどの杜撰な対応の変化はあるかもしれません。

      2019年、ジェイク様にとっていい年になりますようお祈りしています。

      妹子

      • 1時間772円の時給で、1日7、75時間働いたら、有給手当ては、いくらですか
        6割しか、もらえません

        • 返信が遅くなりまして申し訳ございません。

          質問者様が提示された情報のみ、憶測での返信となりますが、おそらく質問者様の勤めている会社が、有給休暇の日の給料計算において、『通常支払われる賃金』ではなく、『平均賃金』が選択されているのだと推察されます。

          記事でも書かせていただきましたが、『平均賃金』の原則的な算出方法は、下記AとBの2種類あります。
          A)直近3ヶ月の総支給額÷直近3ヶ月の暦の日数=平均賃金
          B)直近3ヶ月の総支給額÷直近3ヶ月の労働日数×60%=平均賃金

          A、若しくはBで計算して、高いほうを平均賃金とし、有給休暇の1日分の給料になります。勤務日数が少ない人は、Bで計算したほうが高くなります。

          質問者様の3か月の総支給額や勤務日数などが分かりませんので、きちんとした金額は出せませんが、AでもBでもどちらの計算方法でも、残業がものすごく多いなどの特別な事情がなければ、1日分の6割程度となるので、質問者様の条件ですとだいたい3590円くらいになるかと思われます。

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