有給休暇の日数はどうやって計算するの?いつのタイミングで、何日増えるの?
こんにちは、妹子です。有給休暇を知ろうシリーズも第3弾を迎えました。というか、勝手にシリーズ化してしまいました。
第1弾は妹子の会社をサンプルに、中小企業における有給休暇取得の実態を紹介しています。

第2弾は、そもそも有給休暇とはどんなものなのか、もらえる条件や実態、そして改正労働基本法での変更点についてまとめてみました。

そして第3弾となる今回は、いよいよ、有給休暇の日数を計算します!!自分の有給休暇が何日あるのか、計算できるようになります。
有給休暇の日数を知る必要性
有給休暇の残日数を計算したいときはどんな時でしょうか。もちろん自分のことなので、どのくらい有給で休む権利があるかを知りたい、把握していたい、という気持ちは誰にでもあるでしょう。
その理由以外にも、退職を伴う有給休暇の消化の場合や、長期休暇を予定している場合、産休に入る前に消化したい場合などは、ある程度、あらかじめ自分で日数計算ができるようになっておくと、予定や作戦が立てやすいです。そして、次の有給休暇がいつ、何日もらえるのかを把握しておくことも重要です。
もちろん会社によっては、総務や上司がきちんと相談に乗ってくれて、労働者に有利になるように話を進めてくれる企業もあります。が、そのような企業ばかりであるとも限りません。
有給休暇の日数によって、退職を申し出るタイミングや退職日の設定をするときに、自分で自分が有利になるように、有給休暇の残日数をきちんと把握しておくことが大切です。
有給休暇の日数の計算の仕方
給与明細などに有給休暇の残日数が記載されている人も、そうでない人も、計算の仕方を知っておきましょう。
有給休暇が発生するタイミング
まず、有給休暇が与えられる条件として、その会社で半年以上勤務していること、というのがあります。一番最初にお仕事を始めた日が基準の日になります。そしてその日から、半年間、勤続すると有給休暇が発生します。そのまた1年後に、再度有給休暇が付与されます。以降は、1年毎に再発生していくしくみです。
【例】
2018年1月1日 入社
2018年7月1日 1回目の有給休暇発生
2019年7月1日 2回目の有給休暇発生
2020年7月1日 3回目の有給休暇発生/1回目の有給休暇消滅発生
注意:有給休暇には2年の有効期限があります。2018年7月1日に発生した有給休暇は、2020年7月1日に消滅します。
付与される日数
上記で紹介しました有給休暇発生のタイミングで付与される日数は、下記に表の通りです。
【表A】
従業員の勤続期間 | ||||||||
週の 所定労働 日数 |
1年間の 労働日数 |
6ヶ月 | 1年 6ヶ月 |
2年 6ヶ月 |
3年 6ヶ月 |
4年 6ヶ月 |
5年 6ヶ月 |
6年 6ヶ月以上 |
1日 | 48~72日 | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
2日 | 73日~120日 | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
3日 | 121日~168日 | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
4日 | 169日~216日 | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
5日 | 217日以上 | 10日 | 11日 | 12日 | 14日 | 16日 | 18日 | 20日 |
練習問題
では、早速、労務管理の担当者になったつもりで、実際に有給休暇の日数を計算してみましょう。
例1:フルタイム正社員:パグ男さんの場合
パグ男さんの情報
・入社日:2016/4/1
・雇用形態 :正社員(フルタイム)
・2018/10/10現在まで一度も有給休暇を消化していない
それでは、そんなパグ男さんの有給休暇の日数を算出してみましょう。
↓
①有給休暇発生日(1回目)→2016/10/1 10日付与 (有効期限2018/10/1)
↓
↓
②有給休暇発生日(2回目)→2017/10/1 11日付与 (有効期限2019/10/1)
↓
↓
③有給休暇発生日(3回目)→2018/10/1 12日付与 (有効期限2020/10/1)
↓
↓
2016/10/10現在
①フルタイムは、週5日勤務なので、上の【表A】の一番下の段を参照します。週5日の1回目、6ヶ月の欄は10日です。
②同じく、上の【表A】の一番下の段を参照します。週5日の2回目、1年6ヶ月の欄は11日です。
③同じく、上の【表A】の一番下の段を参照します。週5日の3回目、2年6ヶ月の欄は12日です。
そしてこの場合、①は有効期限切れとなり、パグ男さんの有給休暇残日数は、②+③で23日となる。
例2:パート勤務の兄者さんの場合
兄者さんの情報
・入社日:2016/4/1
・雇用形態 :パート(だいたい週3日くらいのシフト)
・2018/10/10現在まで一度も有給休暇を消化していない
↓ ①勤務日数 50日×2=100日
↓ (1回目だけは稼働日数を2倍して就業規則の労働日数欄を参照)
①有給休暇発生日(1回目)→2016/10/1 3日付与(有効期限2015/9/30)
↓ ②勤務日数 150日
↓
②有給休暇発生日(2回目)→2017/10/1 6日付与 (有効期限2019/10/1)
↓ ③勤務日数 180日
↓
③有給休暇発生日(3回目)→2018/10/1 9日付与 (有効期限2020/10/1)
↓
↓
2016/10/10現在
パートタイムなどで、勤務日が週5日未満び場合は、その勤務日数に応じて有給休暇の付与日数が決まってきます。勤務日数が多いほど、もらえる有給休暇の日数も多くなります。
①は勤務日数が半年で50日の勤務週5日勤務なので、1年勤務した場合は2倍の100日とみなします。上の【表A】の週2日(73日~120日)の列を参照します。週2日の1回目、6ヶ月の欄は3日です。
②同じく、上の【表A】で150日は週3日(121日~168日)を参照します。週3日の2回目、1年6ヶ月の欄は6日です。
③同じく、上の【表A】で180日は週4日(169日~216日)を参照します。週4日の3回目、2年6ヶ月の欄は9日です。
そしてこの場合、①は有効期限切れとなり、兄者さんの有給休暇残日数は、②+③で15日となる。
もらえる予定の有給休暇を計算する
さて、有給休暇の日数の算出方法は理解できたでしょうか?それでは、次にもらえる有給休暇の日数も考えてみましょう。
まず、もらえるタイミングですが、1年ごとなので、退職せずに勤続していれば、パグ男さんも兄者さんも、次回の有給発生日は2019年10月1日の予定です。
そして気になる日数ですが、フルタイムのパグ男さんは【表A】を参照して、3年6ヶ月なので、14日もらえます。
兄者さんは、勤務日数によって変わってくるので、今の時点ではわかりません。が、例えば168日出勤したら8日もらえ、169日出勤したら10日もらえることになります。もし、境目くらいの出勤日数でしたら、シフトを調整してもらい、有給休暇のもらえる日数を増やしてみる、という作戦も、可能なら立ててみましょう。
コメント