年収350万円で貰えるお金を考える
こんにちは。妹子です。今日は、求人情報を見ながら、働きだしてから実際にもらえるお金を計算してみましょう。
年収350万円の会社に応募して、内定が決まった場合、ぶっちゃけ自分に振り込まれるお金は、年間いくらになるでしょうか?
求人情報の給与欄をみてみよう
就職活動や転職活動で求人を見るとき、みなさんはまず、何を確認されますか?仕事内容?勤務地?給料?企業の大きさ?確認したい項目が多すぎて、分からなくなってしまう人もいるでしょう。
全てが自分の求める条件に見合っている求人、というのはなかなかないものです。金銭面や待遇が好条件すぎても、ライフワークバランスが心配になる場合もあります。
就職活動や転職活動においては、多少、条件はマッチしてなくても、受けてみて、受かってから考える、というのも一つの手です。特に、給与面では、ずっとその給料というわけではありません。特に総合職は昇進、昇格、昇給もありますので、求人情報に提示されている金額だけで考える必要はありません。
ただし、給与面を多少妥協したとして、その提示された金額が全額振り込まれるか、というとそうではありません。求人に書かれている年収や月給と、実際に振り込まれるお金(=手取り)は違うのです。
年収350万円という求人に応募、採用された場合
例えば入社時の給与面は妥協したとして、昇給を見込んで入社したものの、すぐに生活が立ち行かなくなってしまっては困ってしまいます。繰り返しになりますが、給料日に、給与欄に書いてある金額をまるっと全額もらえるわけではないからです。
求人媒体にもよりますが、給与欄は、月給で書いてある場合と年収で書いてある場合があります。
年収350万円
月給25万円(賞与年2回)
今回は、この金額を例に出して、実際に手元に残る金額を考えていきましょう。
年収350万円という金額について
今回、年収350万円という金額を例に出したのには理由があります。年収350万円に近い金額をもらっている労働者は、一番多く、約3割いるといわれています。そして、年収350万円と言えば、現在の日本の労働者の年収の中央値と言われている金額です。
少し話はそれますが、比較をする時に「平均値」と「中央値」という値と比較することができます。一般的には平均の方が耳にすることが多いかもしれません。現在の日本の労働者の年収の平均は420万円と言われています。
これは、真ん中の金額ではなく、高所得者が、平均の金額を押し上げている金額です。
平均値とは
例えば10人の労働者の内、9人が年収200万円、1人が3000万円もらっているとします。この10人の年収の平均は480万円です。すると、10人のうち、9人が、真ん中よりも下、ということになってしまいます。
これでは、比較する値としては不適切です。
中央値とは
そのような場合は、「中央値」で計ることが適当です。中央値とは、数字を低い順に並べて、真ん中の数値です。すると、この10人の場合の中央値は200万円、ということになります。つまり、真ん中くらいの年収というのは200万円です。
このような方法で、日本の労働者で出した年収の中央値が350万円なのです。
年収と月給と手取りとは
年収とは、1年間に入ってくるお金の総額のことです。税金などが引かれる前の金額のことです。月給とは、1カ月単位で定められた賃金のことです。基本給+固定の手当て(家族手当や役職手当、勤続手当など)です。
求人情報、採用情報では、年収、若しくは月給が金額が掲載されています。
手取りとは、簡単にいうと銀行に振り込まれる金額と同じです。つまり、実際にもらえるお金です。
では、年収350万円、又は、月給25万円(賞与年2回)の場合の手取りは、年間いくらになるでしょうか?ちなみに、月給25万円(賞与年2回)の場合の賞与は、1回の賞与で一か月分もらえるとして(1年目はだいたいそれくらいです)計算すると、年収350万円です。
年収350万円の手取りはいくらか?
年収350万円の手取りは、ずばり278万円になります。
350万円-278万円=約72万円
72万円が、税金・保険料・年金で、あらじかじめ引かれて支払われているのです。因みにこの金額は、扶養控除などは加味していない金額になります。また、住民税は、前の年の年収から算出して、翌年から引くため、前年が年収350万円出ない場合は、金額が変わってきます。
年収350万円で、健康で独身の一人暮らし、賃貸に住み、生命保険などに入っていない場合に引かれるお金は下記の通りです。
年収350万円の場合
所得税:6万9600円
住民税:14万7000円 (都道府県税:6万500円、市町村税:8万6500円)
厚生年金保険料:32万9400円
健康保険料年間:17万8380円
合計:72万4380円
戻ってくるお金がある?!
税金は、年間の所得に応じて一律で徴収されています。しかし、一方で扶養家族がいたり、住宅ローンをかかえていたり、生命保険に入っていたりなど、それぞれ個人の事情もあります。
そのため、その個人の事情を考慮して、税金の負担を公平にするために、様々な種類の控除があります。先ほど、年収350万から引かれるお金が72万円と説明しましたが、これらの控除や還付によって、72万円よりも少なくなり、手取りが増えることがあります。
扶養家族がいたり、生命保険に加入していたり、住宅ローンがある場合などです。また、ふるさと納税などの寄付の制度により、節税を行うこともできます。
年収350万円だと月にいくらで生活することになるか?
ボーナスがない会社ですと、年収350万円の人の月給は29万1000円になります。手取りですと、23万円1000円くらいです。
ボーナスがある会社の場合の年収350万円ですと、月給25万円と賞与年2回、それぞれ基本給の1か月分の支給と仮定します。手取りは月々19万程、賞与の手取りが一度につき23万円程になります。
どうでしょうか?当面はこの金額で生活できそうですか?
住民税の引かれ方にご注意を
初めて就職して、初めて給料をもらった年などは、前年の収入がないため、住民税が引かれません。そして、1年目の所得を元に、2年目の6月から住民税の徴収が始まります。そのため、1年目より2年目の方が手取りが下がってしまう、というのはよくある話です。
反対に、転職などで前年から年収が大幅に下がってしまった場合でも、前年の収入を元に住民税は算出されますので、手取りはさらに下がってしまいます。
まとめ
現在の日本の労働者の年収の中央値である、年収350万円の手取りは、約278万円です。月々あたり約23万円、ボーナスがこの年収に含まれている場合は、19万円くらいが想定されます。
ただし、住宅ローン減税や、生命保険控除、扶養控除、ふるさと納税などの制度により、所得税や住民税の控除や還付され、手取り金額が増えることがあります。ただし、この控除や還付は、年末調整の時に一度にまとめて戻ってきますので、必ずしも月々の手取りが増えるわけではありません。住民税の控除の場合など、月々の手取りが増える場合もあります。
初任給の給与明細をみて、こんなにもいろいろ引かれるんだ、と驚かれる方は少なくありません。初めてのボーナスの時にも、ボーナスにも所得税ってかかるんだ、と驚かれる方もいるでしょう。
求人情報の給与欄をみて、その金額から手取りを計算、想定することで、実際に働きだしてから、給料が少ない、お金が足りない、こんなはずじゃなかった、などという給与面でのミスマッチを減らすことができます。
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